堺屋太一「日本を創った12人(前編)」(PHP新書)を読みました。1996年刊。
聖徳太子、源頼朝、織田信長、徳川家康が選ばれているのは納得です。しかし、光源氏(上品な政治家の原型)と石田三成(日本型プロジェクトの創造)はいまいち納得できませんでした。
この本が書かれたのは30年近く前のことですから、当時は上品な政治家や、実務者である若手官僚主導のプロジェクトも多かったのかもしれませんが、令和の現在に読んでもピンときません。そもそも上品な政治家が思い浮かびませんし、今は昔ほど官僚主導ではないですからね、
とは言っても、文章が上手く説得力はあるのです。読む価値はあると思いますが、個人的感想としては前編より後編の方が面白かったし、説得力もあったように思います。
ところで、「東照宮遺訓」の一節に「人の人生は重荷を負ふて遠き路をゆくが如し、急ぐべからず」という家康の言葉があり、私の好きな言葉でもあるのですが、本書によると、これは家康の言葉ではなく、水戸光圀(水戸黄門)あたりが創作したのではないかと言われているそうです。
それは知らなかった。
いかにも家康が言いそうな言葉なんですけどね。「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」という辛抱強いイメージの家康にぴったりの言葉ですから。
人生は長旅ですからね。急がない急がない。途中で道草したっていいんです。むしろ人生のゴール=死みたいな部分もあるわけですから、急ぐべからずですね。私なんて途中で行先変更したり、寄り道ばっかりの人生ですよ(笑)
今日も人身事故のニュースがありましたが、非常に残念です。人生急ぐべからずですよ。