鈴木敏文「売る力 心をつかむ仕事術」(文春新書)を読みました。2013年刊。
セブンイレブンの創業者にして、数年前までセブン&アイホールディングスの会長を務めていた方の本です。中央大学出身で、一時期中央大学の理事長だったことも。
そんな著者によれば、「売る力とは、お客様から見て買ってよかったと思ってもらえる力である」と。
買ってよかったと思ってもらえなければ、次は買ってもらえない。だから、買ってよかったと思ってもらえることが次も売る力になる。
では、どうすれば買ってよかったと思ってもらえるか。本書は、そんな小売業の永遠のテーマともいえる課題について様々なヒントを提示してくれる本でした。
コンビニには「上質さ」=品質と「手軽さ」=低価格が求められるわけですが、セブンイレブンは「コンビニでここまでやるのか」というぎりぎりまで「上質さ」を追求しているということが書かれています。
コンビニの利用者の一人としてこれは私も実感として分かる気がしますね。
セブンイレブンはファミマやローソンより若干高いけど、その分美味しい。そんなイメージがあります。
私は普段コンビニを利用しませんが、出先などでおにぎりやパンを買うためにコンビニに入るときはできるだけセブンイレブンを選んでしまう。鈴木さんのいう「上質さ」を感じているからこその行動なんでしょうね。
本書を読んで、セブンイレブンが業界ナンバー1であり続ける理由が少し分かった気がします。
とにかく、お客さんの立場で考える。たとえ売り手側としては効率が悪かったとしても、お客さんが求めるものを提供していく。
これは小売業に限られず、どんな業種でも通用する考え方だと思いました。
正月になかなか読書ができました。
いい本を選んだ自分を褒めてあげたい(笑)